森のようちえんとは
北欧で生まれた教育手法
1950年代にデンマークで、毎日自分のこどもを近くの森に連れて行き遊んでいるのを近所の人たちが見て、保護者による自主運営という形で最初の「森の幼稚園」が誕生しました。その後、北欧からドイツに広まり、ドイツ全土に森の幼稚園の概念が広まっていきました。ドイツには現在、森の幼稚園が300から450存在しています。日本でも、全国各地で森の幼稚園が運営され「森のようちえん全国ネットワーク連盟」が中心となって毎年フォーラムも開かれています。
森のようちえんの定義
「幼稚園」と名がついているけれど、実は運営主体により形態は様々です。
以下は「NPO法人森のようちえんネットワーク全国ネットワーク連盟」HPからの引用です。
- 「森のようちえん」とは
自然体験活動を基軸にした子育て・保育、乳児・幼少期教育の総称- 「森のようちえん」という名称について
【森】は森だけでなく、海や川や野山、里山、畑、都市公園など、広義にとらえた自然体験をするフィールドを指す。
【ようちえん】は幼稚園だけでなく、保育園、託児所、学童保育、自主保育、自然学校、育児サークル、子育てサロン・ひろば等が含まれ、そこに通う0歳から概ね7歳ぐらいまでの乳児・幼少期の子ども達を対象とした自然体験活動を指す。- 「森のようちえん」の主な活動形態
(1)認可幼稚園・認可保育園
自然散策や遠足、お泊まり保育、畑の活動などの自然体験活動
(2)自主保育や共同保育、育児サークル、子育てサロン・ひろば
野外を中心とした自然体験を意識した保育活動など
(3)認可外保育施設・NPO法人などによる幼児教育や保育活動団体
自然体験を意識した幼児教育など
(4)自然学校や自然体験活動団体、青少年教育施設、社会教育施設
さまざまな野外活動プログラムを活かした幼児教育- 「森のようちえん」活動に関わる人たち
幼稚園教諭、保育士、自主保育指導者、学童保育指導者、自然体験指導者、野外活動指導者、自然の中での幼児教育や保育を望む親など。
つまり、森、川、里山など自然の中で行う幼児教育の総称として「森のようちえん」という名前が使われており、その形態は、一般的な幼稚園と同じように週5日の常設園から、週末だけの自主保育など、運営主体により全く異なります。園舎をもたずに運営しているところもあれば、園舎があり国から認可を得て活動しているところもあります。
ゆるやかな共通の概念
形態だけでなく、方針も運営主体により異なります。しかし、基盤となる共通の概念は存在します。
- 信じて待ち、子どもたちの育ちの機会を阻害しない
- 自分の力と、周囲への信頼を養い、自己肯定感が高い子どもになる
- 自然の中で五感を使って体験的に学ぶ
- 観察と発見を繰り返し、想像力や創造力を養う
- 多様な環境に身を置き、感受性を高め、心も体もたくましく強く育つ
- トライ&エラーを繰り返し、自らの頭で考える力を育む
- 自然への理解と、危機回避能力を身につける
- 仲間とのトラブルの許容範囲が広く、コミュニケーション能力が高まる
- 農作業、食育、野外調理など、生活実践的なアプローチを習慣化する
教育方針-大切にしていること-
みやしろ森のようちえんでは、以下の7つを最も大事な考えとして活動しています。
01 子どもまんなか
すべての活動は子どもたちの成長にとって、重要なものであるかを基準に考えます。大人の常識や憧れや価値観を判断基準にしません。
保護者の子育てへの関心に向き合うことは、重要なことですが、周囲を満足させるための行事よりも、子どもたち自身の貴重な学びの時間を優先させます。
02 自然が先生
存在しているだけで正しさを示している自然のあり方を先生にしています。人を規範とする教育は、子どもたちに作為をもたらすものです。
子どもたち自身の中にある自然を引き出すために、消極的な「信じて待つ」教育に徹します。
大人がなるべく手を出さなければ、森と子どもたちの「自然」が呼応する瞬間を発見することができます
03 自己肯定感を育む
みやしろ森のようちえんでは、卒園するまでに、どのような条件にも揺るがない、自己肯定感を身に着けてほしいと願っています。
そのために「与える」教育ではなく、「待つ」教育に徹します。
複雑な事情を考慮する前に、自分自身の大切さを体験的に学んでほしいのです。それが、一生学び続ける基礎となります。
04 愛情と情熱
子どもたちへの愛情と情熱を妨げるものは、人格や制度の問題だけではなく、周辺の大人たちの余裕のなさが大きく影響しているかもしれません。
どの子にも、その子らしく育っていく力が備わっています。偏見や社会性にとらわれず、愛情と情熱を持って子どもたちと接します。
05 独創性を育てる
主体性を発揮しながら、周囲と協力し、自分の目的を達成する試行錯誤をたくさん経験してほしいと願っています。そのために、子どもたち自身が自分と周囲との調整に関われる機会を奪わないようにします。独創性が育っても、心が育っていなければ何にもなりません。独創性を発揮するには、思いやりや協調が大事であること、想像力が大事であること、生命への尊重が大事であることなどは、子どもたち自身が自分で気づいてほしいことです。
06 身体と心を育てる
人口減少後の社会に頼れるのは、自分自身の身体と、身体を守る技術です。
何を食べるか、何が生活に必要か、考えて実践することは、身体を鍛えることと同じくらい重要なことです。
大人が与える「食育」ではなく、自分たちが生み出す「食育」を目指しています。田んぼや畑から、自然の恵みを受け取りながら、感謝する心を育みます。
07 地域に根差し連携する
理想の教育手法があれば、子どもたちは理想の人間に育つわけではありません。
地域と連携し、郷土に合わせた教育が、生きていくための居場所を作り出します。
さまざまな交流を通して、地域全体に貢献できる喜びも体現してほしいと願っています。
教育手法
1.同じ森を、違う日、違う時間、違う季節に何度も見ることで、その違いを味わう感受性を育てる。
2.小さなケガで身を守ることを覚え、大きなケガをしない。
3.多くの失敗から直接学び、自分で考える力を養う。
4.自然を感覚でとらえ、視野の広い世界観を育てる。
5.独創性の芽である観察を大切にし、自然をよく見る。

6.生命に囲まれている感覚を常に持ち、想像力を養う。
7.直線以外の多様な形に囲まれて、多様な美意識を育てる。
8.人智の及ばない自然の姿の中に、謙虚に学ぶ心を育てる。
9.雰囲気、気配、痕跡から、目に見えないものを感じる。
10.大人に頼りきらない自立心を育てる。

11. 共生する自然の姿から、共に育つ協調性を身につける
12.人工の少ない空間で、作為的な欲望に惑わされない。
13.学び方を学び、教え方を教わり、永続的な教育をする。
14.大人自身も育つために、常に発見し、一生学び続ける。
15.怖さを知り、優しさを知り、感情の振れ幅が大きい心を。


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